2011年03月02日

【模擬講義】市民と公務員、2つの力で支えるコミュニティ(平 修久 先生 )

まちを良くしたい、それが公務員の原動力

公務員は、利潤追求や儲けを考えずにできる職業です。あなたがまちを良くしたい、市民のために働きたいという思いがあれば、非常にやりがいのある仕事であると言えます。しかし実際は、理想と現実の板ばさみで厳しい部分も多くあります。

 例えば、生活保護では「助けたい」という願いと、予算という現実がぶつかってしまいます。多様な市民の声を聞くことと、出来ないことを分かってもらうことのどちらも大切なのです。コミュニティ(地域社会)を充実したものにするためには、いかにより良い人間関係を作るかがポイントになってきます。トップに立つ市長、そして公務員、そこに暮らす市民にとって良い関係性を築くためには、発想力も大切になってきます。

 市政には、政策の工夫が大切です。例えば荒川区では、GAH(Gross Arakawa Happiness)という、幸福を最高の目的とした政策が行われています。市民を幸せにするために実現したい活動が出来ることこそ、公務員の醍醐味なのです。


コミュニティ 画像.gif


まちのことは失敗から学べ

 公務員には、物事の関係やつながりに対する意識が欠かせません。そのため、まずは自分の行動が社会に及ぼす影響を知る必要があります。地域で実際に活動することで、異世代の交流や大人に接する機会を得ます。そこでの「気づき」の体験が、考える力にもつながっていくのです。

 例えば、あなたは正しい掃除の仕方を知っていますか。掃除はしたことがあっても、それが正しいと言い切ることは出来ないのではないでしょうか。

 人間は経験から多くの物事を学んでいきます。知らずに恥をかくこともあるでしょう。しかし、その失敗から学ぶことこそが大切なのです。そうしないと、自分の世界を小さくし、自分の可能性までも狭めてしまうことになります。コミュニティを学ぶということは、未来の可能性を広げることにつながっているのです。


聖学院大学
政治経済学部 コミュニティー政策学科 教授
平 修久 先生


本年より、コミュニティ政策学科では、「警察官・消防官・一般行政職公務員試験対策プログラム」を開始します。1年次の秋学期から、数的推理、一般知識、文章理解の3科目を正規の講義科目として受講できます。また、3年次の春学期からは大学のキャリアサポートセンター主催の公務員試験マスター講座で基礎から応用までブラッシュアップし、実力を万全のものにすることができます。公務員に必要な講義のほか、自治体職員による「公務員特講」で、自治体の役割、仕事、課題や、全国のユニークな政策も学ぶことができます
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【模擬講義】哲学の凄技(スゴワザ) (谷口 驤齪Y 先生 )

哲学って、役に立つ!

 哲学を知っておくとどんなときに役立つのでしょうか? 生きていればだれでも一度や二度は人生上の困難な壁にぶち当たるはず。

 そんなとき哲学が役に立つのです。どうにもならなくなった状況、壁の前にたたずむしかないような状況から抜け出すには、直面する状況や現実を違う角度からとらえ直して自分の考え方を変え、それを行動に反映させることが必要です。

 哲学のものの見方・考え方は、そのために役に立ちます。なぜなら、「哲学する」ということは、「自分とは異なる考えを持つ他者と対話する」ということであって、それは同時に自分を他者の視座(視点)、さらにはもっと距離を置いた視座に置き、そこから自分を振り返ることで、視野を広げてくれるからです。そして視野が広がると行動の射程も広がります。

対話2 画像.gif

他者との対話のためには、まず自分との対話が必要

 「相手は自分をどう理解しているのだろうか」、「相手とのやり取りを第三者はどうみなすのだろうか」などと考えられるのは、人間だけの特技です。それは、私たち人間が「人と人との関係のなかで、どう生きるべきか」という実際的な問題と格闘していくために、とても必要で有効なものです。

 NLP(神経(Neuro)言語(Linguistic)プログラミング(Programming))と呼ばれる研究分野には、このような“”を洗練させた「三重記述」というテクニックがあります。「自分自身の立場」 「相手の立場」「その双方を評価する審判や観察者の立場」の一人三役をこなし、それぞれの立場の視座から、気づきを得るテクニックです。専門的には、「知覚ポジショニング」などとも表現されます。哲学には、欠かせない思考のメソッド(方法)です。

このような思考を身につけているということは、自分自身の視座を自然に、しかも瞬時に切り替え、相手や第三者の立場に立って、そこから自分を振り返り、理解の範囲を広げる能力を発揮できるということなのです。もちろん、この能力は生きていく上でいろいろなことに応用が利きます。


聖学院大学
政治経済学部 コミュニティ政策学科 教授
谷口 驤齪Y 先生


高校で接した「哲学」では、世界史などに登場する、賢人の名前や業績を学んだと思います。「哲学」と聞くと、すごく難しい学問かと思うかもしれません。哲学は、理工系のように、物質など、「モノ」を研究対象とする分野ではなく、“よりよく生きる”という課題に真正面から向かい合う知的な営みです。さまざまな専門分野で当たり前とされている価値観や、世界の在り方や、人々が生きるために直面するいろいろな問題や悩みについての知識や考え方を整理統合して、世の中のために役立てることも「哲学」の役割です。





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【模擬講義】哲学って、現実的!? (谷口 驤齪Y 先生 )

現実の観察こそ、知識の始まり

哲学は、単なる観念の集まりではありません。世界や自己や他者についてのまとまりのある考えや知識を批判的に探究します。言い換えると、哲学は、生の現実を言語を介してとらえることから始まっているのです。特に、人間同士の間に成立する考えや知識は、言語によるやり取りに依存します。

 ところが、人間同士のコミュニケーションの実に70%以上は、目の動きに代表される顔の表情、身振り、声色など、言語以外の非言語の部分が占めていると言われています。特に、会話や対話の場面では、相手の表情や仕草も含めて、すべてが自分に向けて発信されている情報になります。ですから、相手とのやり取りの中で一番大切なことは、相手をよく観察することなのです。

調べる 対話 画像.gif

目の動きから心の動きが読み取れる?

 哲学には、知覚と心とコミュニケーションの関係を研究する分野があります。例えば、目の動き(眼球動作)と心の動きの間には一定のパターンがあることがわかっています。

 質問者と対面した会話(質問)の中で、回答者の目の動き(視線の先)を、回答者の左側(記憶)か右側への動作(構築)、斜め上(視覚)か斜め下(触覚)への動作、左右水平の動作(聴覚)からなる6通りの方向に分類します。

 左斜め上を見る場合は、過去に体験した記憶を視覚的に呼び起こす眼球動作であり、右斜め上を見る場合は、イメージを視覚的に構築する(作り上げる)眼球動作です。嘘を言っているときの相手の目は右斜め上を一瞬向くことが多いのです。さらに、右斜め下に視線を落とした場合は、過去に体験した身体の運動感覚や触感を呼び起こし、左斜め下の場合は、心の中で独り言など内的対話を行っていることがわかります。

 例えば、私が学生に遅刻の理由を質問したときに、その学生の視線が左斜め下に行き、すぐに右斜め上に行くようであれば、「“やばい、うまく言い訳しなきゃ”なんて心でつぶやいてから、話を構築している(作っている)な」、と推測することができます。



聖学院大学
政治経済学部 コミュニティ政策学科 教授
谷口 驤齪Y 先生


 高校で接した「哲学」では、世界史などに登場する、賢人の名前や業績を学んだと思います。「哲学」と聞くと、すごく難しい学問かと思うかもしれません。哲学は、理工系のように、物質など、「モノ」を研究対象とする分野ではなく、“よりよく生きる”という課題に真正面から向かい合う知的な営みです。さまざまな専門分野で当たり前とされている価値観や、世界の在り方や、人々が生きるために直面するいろいろな問題や悩みについての知識や考え方を整理統合して、世の中のために役立てることも「哲学」の役割です。
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【模擬講義】哲学をコミュニケーションに役立てる(谷口 驤齪Y 先生 )

ご注文は、以上でよろしいでしょうか?

 最近、高校生に人気の高いアルバイトは、ファミレス、ファストフード、コンビニなど、お客さんと接する機会が多い業種が、上位を占めているそうです。あなたも、ファミレスなど、お客さんに接するアルバイトをした経験がありませんか? 

 店員が注文を受ける際に「ご注文は〜でよろしいでしょうか?」と、注文内容を確認しますが、それはどのコミュニケーションにとっても有効な方法だと思います。しかし、せっかくアルバイトで身に付けたこの方法を、アルバイトを辞めた次の日にはケロリと忘れてしまい、実際の生活場面で使わなくなるのは、とてももったいないことです。

ノート 画像.gif


地図は、現地にあらず
 
 人と人とのコミュニケーション、特に対話や交渉においては、まず相手の発言の「意図」を正しく理解し、次に自分が理解した相手の発言の内容を相手に伝え、そう理解していいか「確認」を取りながら会話を進めれば、お互いに誤解がなく、スムーズなコミュニケーションが図れます。

 意図とは、意識の内容の図のようなものです。哲学では、「人の認識は一致するのか」 、「その一致の基盤は何か」、などといった問題をめぐって激論を交わしてきましたが、この議論自体に一致がないのです。というのも、哲学では同じ語彙がまったく違う意味で用いられることが多く、同じ言語でさえも、意思疎通が困難なのです。

 ある人が持っている現実についての認識や考えは、別の人のものとは異なるのが現実です。比喩を使って言えば、 「どの地図(観念)も、実際の土地(現実)とは異なる」のです。この洞察は、よりよいコミュニケーションに役に立ちます。それには、相手がどんな「地図」を下敷きにして現実をとらえているかを確認することが重要です。

 こちらが相手の「地図」をどう理解しているのかを、こちらの「地図」で言い換えて伝えてあげることに、コミュニケーションの成功の鍵があるのです。




聖学院大学
政治経済学部 コミュニティ政策学科 教授
谷口 驤齪Y 先生

高校で接した「哲学」では、世界史などに登場する、賢人の名前や業績を学んだと思います。「哲学」と聞くと、すごく難しい学問かと思うかもしれません。哲学は、理工系のように、物質など、「モノ」を研究対象とする分野ではなく、“よりよく生きる”という課題に真正面から向かい合う知的な営みです。さまざまな専門分野で当たり前とされている価値観や、世界の在り方や、人々が生きるために直面するいろいろな問題や悩みについての知識や考え方を整理統合して、世の中のために役立てることも「哲学」の役割です。
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